アパレル撮影は、衣類・服飾雑貨・アクセサリーといったファッションアイテムを撮る専門分野です。ECサイト、カタログ、SNS広告など用途は幅広く、商品の魅力を画面越しに伝える役割を担います。
服は「着たときにどう見えるか」が購入の決め手になりやすいため、サイズ感・シルエット・素材感を正しく伝える撮影技術が問われます。着用撮影のコツは「着画とは/着用撮影」、撮影全般の基本は「物撮りの完全ガイド」も参考になります。
平置き・トルソー・モデルの3つの撮り方
平置き撮影(フラットレイ)
商品を床やテーブルに置き、真上から撮る方法です。最もシンプルでコストを抑えられるため、EC向けに広く使われています。
撮影効率が高く、短期間で多くのSKUをさばけるのが利点です。柄・縫製・ボタンといったディテールも正確に写せます。一方で着用イメージは伝わりにくく、シルエットや立体感、高級感の表現には限界があります。Tシャツ、カジュアルウェア、子供服、下着、小物類に向いた撮り方です。
トルソー撮影(マネキン撮影)
人型のトルソーに商品を着せて撮る方法です。平置きより着用イメージが伝わり、モデル撮影よりコストを抑えられます。
着たときのシルエットが分かりやすく、形状を安定して撮れます。ただしリアルな着用感や動きのある表現は出しにくく、トルソーが見えると安っぽく映ることもあります。ジャケット、コート、ドレス、フォーマルウェアと相性のよい方法です。
モデル撮影
実際のモデルに着てもらって撮る方法です。リアルな着用イメージを伝えられ、ブランドの世界観まで表現できます。
サイズ感や着用感が自然に伝わり、ポーズや動きで商品の魅力を引き出せます。ターゲット顧客への訴求力も高く、ブランドイメージづくりに効きます。その分、モデル費やヘアメイク費がかかり、1日の撮影点数も限られます。モデルの選定がブランドの印象を左右する点にも注意が必要です。ブランドアパレル、主力商品、広告用ビジュアルで選ばれます。
撮り方の選び方
| 撮影方法 | コスト | 1日の撮影点数 | 着用イメージ | おすすめ用途 |
|---|---|---|---|---|
| 平置き | 低 | 50〜100点 | 低 | EC商品一覧、大量SKU |
| トルソー | 中 | 30〜50点 | 中 | EC詳細ページ、カタログ |
| モデル | 高 | 10〜30点 | 高 | 広告、メインビジュアル |
多くのECサイトでは、商品一覧には平置き、商品詳細ページにはトルソーやモデル撮影と、用途で使い分けています。
アパレル撮影で押さえたい3点
素材感を再現する
服は素材感が購入の決め手になりやすく、シルク、コットン、ウール、レザーなど、生地固有の質感を写真で伝えたいところです。マクロ撮影で生地の表情を強調し、サイドライティングで立体感を出します。光沢のある素材は映り込みに注意します。
サイズ感・シルエットを伝える
ECでは試着ができないぶん、サイズ感が正確に伝わる撮影が要ります。モデル撮影では身長と着用サイズを明記し、同じモデルで複数サイズを撮って比べられるようにします。スケール感が分かる小物を添えるのも有効です。サイズが伝わると、想像との差による返品を抑えやすくなります。
カラーバリエーションをそろえる
同じデザインで複数カラーがある場合は、すべて同じライティングで撮り、色味の差が正しく伝わるようにします。色温度を統一し、モニターごとの色差まで見込んで調整しておくと、実物との食い違いを減らせます。
アパレル撮影の費用相場
| 撮影タイプ | 1点あたり単価 | 含まれるもの |
|---|---|---|
| 平置き撮影 | 300円〜1,000円 | 基本撮影・レタッチ |
| トルソー撮影 | 500円〜2,000円 | 基本撮影・レタッチ |
| モデル撮影(半日) | 80,000円〜150,000円 | モデル費込み、10〜20点 |
| モデル撮影(1日) | 150,000円〜300,000円 | モデル費込み、20〜30点 |
※モデル撮影の場合、ヘアメイク費、スタイリスト費が別途かかることがあります。
アパレル撮影会社の選び方
ポートフォリオを見て、自社ブランドと似たテイストの実績があるかをまず確認します。カジュアル、フォーマル、ストリートでは撮影アプローチが変わるためです。
モデル撮影を考えているなら、モデルやスタイリストの手配を一括で頼めるかも重要です。キャスティング力のある会社は、ブランドに合ったモデルを提案してくれます。多くのSKUを撮るなら、1日に何点撮れて納期がどれくらいかといったオペレーション体制も見ておきましょう。平置き・トルソー・モデルのすべてに対応できる会社なら、用途ごとに1社へまとめて発注できます。
依頼前の準備
撮影するSKUのリストを作り、それぞれ平置き・トルソー・モデルのどれで撮るかを決めておきます。ブランドカラー、撮影トーン、NG表現などのガイドラインがあれば事前に共有します。撮影前には商品のシワ・汚れ・ほつれをチェックし、必要に応じてアイロンがけやメンテナンスを済ませておきましょう。モデル撮影なら、ターゲット顧客層に近い体型・着用サイズのモデルを検討します。
まとめ
アパレル撮影では、平置き・トルソー・モデルの3つを目的とコストで使い分けるのが基本です。素材感・サイズ感・カラーを正しく伝えられれば、ECでの購入のあと押しになり、サイズ違いによる返品も抑えやすくなります。会社選びでは、アパレルの実績、モデル手配力、大量撮影のオペレーション体制を重点的に確かめましょう。


